東京高等裁判所 昭和25年(う)4648号 判決
原判決挙示の証拠によれば、原判示第二の食糧緊急措置令違反の事実は優にこれを認めることができる。所論引用の各証拠の存在は毫も右認定を左右するに足らない。即ち食糧緊急措置令第十三条の収用拒否罪は積極的な妨害行為によつて成立すると共に消極的な収用に応じない態度によつても成立するものと解すべく、原判決挙示の証拠によれば被告人は収用に来た当該官吏に対し、米を持つて行かれては困るといい、収用に応ずるか否かについて数分間の猶予を与えられたに対し沈黙を以て之に応じない消極的態度を示したものであるから、右違反罪は成立するものと認むべきであつて、原審には所論の事実誤認はないから所論は失当である。